世界の難民・国内避難民は近年、増加の一途をたどっています。ウクライナで起きている人道危機などの影響により、2023年5月末時点で難民の数は過去最多の1億1000万人となりました。世界の73人に1人が難民です。
この数は、日本の人口の8割以上にあたります。そして、難民・避難民全体の40%を18歳未満の子どもが占めており、親を失った子どもたちも少なくありません。
紛争や迫害などが原因で故郷を追われた人々のうち、国境を越えて海外に逃れた人々を「難民」、自国内の他の地域に避難している人々を「国内避難民」と呼びます。
「難民問題の新たな時代を迎えて」
理事長 堀江 良彰
昨年、世界の難民/国内避難民の数は1億人を超えました。難民支援の仕事に20年以上携わっていますが、難民問題が新たな時代に入ったことを痛感しています。ウクライナ危機に大きな関心が集まっていますが、その前から続くシリア難民、ロヒンギャ難民、アフガニスタン難民などの問題が解決されたわけではありません。
難民問題は決して遠い国の話ではなく、世界中がつながっている現在、一人ひとりが関心を持ち、考え、行動していくほかに解決する道はありません。困難に直面する方々に手を差し伸べられるのは、同じ時代に生きる私たちです。ともに世界の問題に取り組んでいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。